奥さんのがん告知を機に、がんに関する書籍を読み重ねています。
今回は上園保仁さんの「長生きするがん治療」からの学びを書き出しておきます。
がんの痛みとつらさを知る
- がんの痛みは「身体」「精神」「社会」「スピリチュアル」の4つを合わせた「トータルペイン」。
- これをケアするために「精神腫瘍科」がある。
- 「ドラッグリポジショニング」という他の病の薬を活かす考え方がある。
- 漢方薬は局所でなく体全体を緩和させる薬。勘違い多いが歴史長い日本の薬で安定している(ちゃんと季節ごとに調整されている)
- 自然治癒力を高めるのが大事。(生姜・山椒・人参がいい)
- 食欲の乱れやだるさにも漢方薬が効く。
がんになると、本人も家族もつい「身体の痛み・辛さ」にフォーカスしがちです。
最初は仕方ない、というか大切なことだと思います。。
がんという病気のことを知り、体がどういう状態にあり、どういう治療を受けるべきなのか、自分達で把握する必要があるからです。
その状況を掴み、治療方針も決まってきたら、徐々にフォーカスする領域を「精神」「社会」「スピリチュアル」にシフトさせていく必要があると思います。
家族は本人にシフトを促しつつも、あくまで本人に合わせて一緒にシフトしていくスタンスが理想でしょうね。
それぞれが別の痛みにフォーカスしていると、意見が食い違います。ここはなるべく避けたいところです。
腸活で自然治癒力を高める
- 腸活は全身メンテの要(腸は免疫システムの8割が集まっており栄養吸収の場でもあるから)
- がんを進行させる悪玉菌に気をつけろ(「善玉2:日和見7:1」日和見菌が善悪どちらに動くかが重要)
- 食物繊維を摂るのは大事!
- 腸活で自然治癒力高まると漢方薬もより効くようになる
- 漢方薬「六君子湯」で食欲ホルモン「グレリン」分泌させ、がん悪液質を改善する
この章のポイントはこんな感じです。
さらに、メモっておきたいのは、腸と言っても
- 小腸は免疫機能が詰まっている場所
- 大腸はカスと菌のたまり場
と特徴がわかれているという認識。そして、
ストレスと運動不足が重なっていくと、腸の働きは低下し、便が停滞するようになり、腐敗物質ができてしまう
ということです。
素人でも感じる「大腸がん」というワードの重さはこのあたりに由来しているわけですね。
教わることはありませんが、大腸のケアは大切ということです。
完治がすべてではない!生活の質を上げていけるかが肝
がんになったら「どうやったら死を回避できるのか」「どうやったら完治できるのか」で頭が占拠されることでしょう。
本人も家族も強い悲しみ、焦りに襲われますが、個人差あれど2,3週ほどで落ち着いてきます。
そこが思考をシフトさせるチャンスです。
この本でも書かれている「完治をめざすことが全てではない」という考え方を取り入れたいところです。
でないと生きるか死ぬか、治るか治らないかという二極思考、ゼロヒャク思考になってしまい、これでは辛くなりがちです。
「現代医療の力を最大限に使いつつ、漢方薬と腸活で生活の質を上げていく」
この思考が大切なんだなと思いました。
死は全人類共通のゴール!ならばどうゴールテープを切るか?
がんのような大きな病気にならないと、つい忘れがちですが、これを読んでくれているあなたも、ボクも100%確実に死にます。
違うのは、ゴールするまでどう走り、どうゴールテープを切るか、だけなんですよね。
余命に違いはありますが、全員自分のそれを見ることができないのも人類皆同じです。
余命、もとい人生の最小単位は「1日」と言えます。
「楽しいと思えた1日」をどれだけ積み上げられたかで「楽しい人生」だったと思って死ねるかが決まるとすれば、ムダにできる日は1日もないですね。